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時計屋のひとりごと 第10回

2012年05月23日(水) | コメントできません

皆様に ひとりごと 読んでるよと はげまされ なんとか10回までこぎつけることが

できました これからも よろしく お願い致します。

時計のしくみ 

1 ゼンマイ

昔は「ネジを巻く」という言葉がよく出てきました。(現在でも 年輩の方がつかいますが)
正確には ゼンマイをリューズでゼンマイを巻くということですが ネジをまわすように
リューズを回したことから こう言われてきたのでしょう。

時計は リューズを回してゼンマイを巻き上げることによって、歯車を 動かすために
力を蓄えてるのである。渦巻き状になったゼンマイを巻き上げると ”形状記憶”加工
された渦巻きバネは元に戻ろうとして 巻き上げられた力を 放出する。
また 巻き上げられたゼンマイが 逆戻りしないように コハゼという部品が ストッパーの
役目をしている。ちなみに ゼンマイは香箱という 丸いタッパのようなものに
収められている。

2 テンプ

ガンギ車とアンクルの爪が
あたると”カチ カチ”

”カチ カチ” ”チック タック” ”コチ コチ”。時計の音を表現する言葉はたくさん
ありますが この音は、じつは時計の脱進機、つまり「テンプ」と「アンクル」から
出ている音なのです。テンプ(ムーブをのぞくと 円形のものが 動いている)の
往復運動の速さは 1秒間に4往復から 10往復まで いろいろあります。

そしてこの往復運動の正確さによって時計の精度が決まってきます。
テンプの内側のヒゲゼンマイは 片方に回転するとその反動で反対方向に
回っていくが、そのままだといつかは止まってしまう。しかし、その中間で
回転方向に力が加わるといつまでも往復運動を続けることが出来る。
これは ブランコに乗って遊んでいる子供の背中を押す母親の手がアンクルであり
押す力の源、つまり母親自身がガンギ車である。ガンギ車とゼンマイの力が
歯車を通して伝わる最後の歯車のことです。

3 歯車の働き

左から1番車(香箱)2番車、3番車、4番車、ガンギ車、アンクル車、テンプ

ゼンマイ(これは1番車(香箱)についている)の力は途中の歯車を通して
テンプに到達する。途中の歯車とは1時間に1回転する2番車」、
その力を次に伝える3番車そして1分間に1回転4番車である。

テンプの説明のところで 往復運動の速さがいろいろあると 言いましたが
往復運動(振動数)が多ければ(ひとりごと第9回参照)途中の歯車の歯数が
細かく多く、往復運動(振動数)が 少なければ 歯数がすくなくできている。
4番車の次にガンギ車が置かれているのだが この車も 往復運動(振動数)が
多ければ 歯数も 多く付けられている。

4 時間表示のしくみ

2番車は1時間に1回転 4番車は1分間に1回転

時計の中央に位置する真棒は 2番車という名の真棒であり、2番車の軸に
なっている。この2番車は1時間に1回転することから、分針が取り付けられる軸となる
時計の時分針は同じ軸に付けられる。だからこの軸を基にして、時針を動かす
ことになる。つまりこの軸に取り付けるため 筒車(つつ車)という軸がパイプ状に
なっている歯車を2番真に通して、重ねるように 組み込まれている。

さらに 日の裏車を介在させて、筒車の回転を12分の1に落としている。
図では省略されていますが、時針は2番車の軸の外側の筒車についている。
歯車の並びに従って、ゼンマイの歯車を1番車として、2番車、3番車、4番車と
続くが、4番車は1分間で1回転するように設計されている。
つまり4番車の軸にスモールセコンドが取り付けられている。

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