時計屋のひとりごと 第12回
2012年05月23日(水) | コメントできません
メカニカル アラームウオッチ
アラーム機能が誕生したのは、1940年代。当時は腕時計用のクロノグラフやワールドタイマーが
開発されるなど、まさに付加機能の全盛期時代でした そんな中、開発者たちがさらなる便利性を
求めてアラーム機能に行き着いたは、想像するに難しくはなかっただろう。そして、肌に対して直接
作動する「触感アラーム」など、さまざま工夫が試された末、バルカン社(現レビュートメン)の手巻き
モデル「クリケット」が誕生するのである。話はそれますが 現在レビュートーメン社により
バルカンブランドのアラームウオッチを発売されている。
”小さな体で大きな音を出すクリケット(こおろぎ)の鋭い鳴き声を再現する”をテーマに開発されたこの時計は
まさに小さなケースから想像できないアコースティック音を発する。その秘密は二重構造の裏ブタにあり
設定した時刻はくるとケースの内側の音響薄膜の固定されたラグをハンマ-が打ち、薄膜を振動させている。
そして振動音は反響室の役割を果たす外側の裏ブタに伝えられる。このため手首に巻いても
音響がこもらないという特製をもっている。1947年に発売された「クリケット」は大反響を呼び、アイゼンハワーや
ジョンソンといった歴代大統領に愛用されたのは有名な話である。
また同期には 裏ブタの内側にゴングとハンマーを備え、時刻になると裏ブタが共鳴するジャガールクルトの
初代「メモボックス」が発表され続く1956年には自動巻きモデルの登場する。
国内に目を向けると、1958年にシチズンが、「国産初のベルが鳴る腕時計」というキャッチコピーとともに
「シチズンアラーム」を発売。1967年には服部セイコーが自動巻きの「セイコービジネスベル」を投入。
どちらも 目新しさと実用性から ヒットするが、現在は作られていない。
より正確な液晶デジタル・アラームに取って変わられたことはいう事情もあるがレビュートーメンや
ジャガールクルトのアラームウオッチが基本構造を変えずに現在も生産されているのに 比べると
国産はなんともさびしい限りである。(ちなみに 私ことではありますが セイコービジネス ベルを所有)
スイスではこの1,2年にエボーシュメーカーASのムーブメントを採用して それぞれが独自の仕上げをした
アラームウオッチがジラールペルゴを始め数社から 発表された。電子音のむなしさを感じる最近
このアラームウオッチがいつまでも 作られることを 祈らずにはいられません。
それぞれの時計に関してはレビュートーメンのクリケットは 音が非常に高く 本当にびっくりさせられました。
会議中に鳴られたら 赤面覚悟ですね。
ジャガールクルトのメモボックス(ブラックメモボックス)はシースルーバックになっており ハンマーが
リンを打つ様子が見えて非常に面白く 音は上品な音です。(やや音量が少ない感じ)
もう一つのジャガールクルトのレヴェイユは自動巻き(ただし ベルの方は手巻き)で
非常にきれいな音を出します。見た目もシンプルですしね。
エボーシュのムーブメントは 時計もベルも自動巻きですから 非常に実用的ですね。
連続でベルを鳴らすときはちょっと不安ですが 音に関しては メーカーにより(ケースなどにより)
音色が違ってきます。
最後までお読みいただき誠にありがとうございます。みなさんに「ひとりごと 読んでるよ。」
「ひとりごと おもしろいね。」などと 言われると 本当にうれしいんです。
これからも 続けるつもりでいます。励ましのことば ありがとうございます。
(誤字 脱字は ご勘弁ください。 背中かがピクピクいってます。)
カテゴリー:時計屋のひとりごと
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